アスベスト分析

空気中のアスベスト測定

石綿含有の吹付け材が使用されている建築物などを維持管理する場合、自治体によっては、室内のアスベスト繊維濃度測定の定期的な実施を推奨しています。また、日本住宅性能表示基準が改正され、測定義務はないものの、住宅性能要件として「石綿含有建材の有無等」や「室内空気中の石綿の粉じん濃度等」が追加されました。さらに、アスベスト除去、封じ込め、囲い込み等の対策工事においても、施工前・施工中・施工後の環境測定が条例などにより要求されています。
日新環境調査センターは、建築物の維持管理から対策工事まで、さまざまな場面における測定に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

アスベスト対策工事においては、それぞれの測定場所ごとに以下のような方法で空気中の繊維濃度を測定します。

測 定 場 所 測 定 方 法
□敷地境界(周辺屋外) A.『石綿に係る特定粉じんの濃度の測定法』
平成元年環境庁告示第93号
□施工区画内〔作業前・養生撤去前・作業後〕
□負圧除じん装置排出口付近
□施工区画前室(セキュリティーゾーン)出入口付近
B.『室内環境等における石綿粉じん濃度測定方法〔石綿協会法〕』
(社)日本作業環境測定協会
□施工区画内〔作業中〕 C.『公共建築改修工事標準仕様書 建築工事編』
国土交通省

◇アスベスト対策工事における測定では、現時点で基準値はありませんが、大気汚染防止法による特定粉じん発生施設に係る隣地との敷地境界における石綿規制基準である10本/Lが異常値の目安となることが多いです。

地境界(周辺屋外)
敷地境界(周辺屋外)
施工区画内〔作業中〕
施工区画内〔作業中〕

(1)通常法
一般にアスベスト濃度測定は、屋外・室内の空気をポンプで一定量フィルターに通し、そのフィルターを透明化して位相差顕微鏡により繊維状粒子を計数します。上記測定方法A,B,Cでは、通常この方法で実施します。
(2)分散染色法
通常法では化学繊維等アスベスト以外の繊維状粒子を計数してしまう可能性があります。その場合、フィルターを低温灰化し、分散染色法を用いることにより、アスベストの種類の同定と計数できます。
(3)EDX付き走査型電子顕微鏡法(SEM-EDS,EDX)
分散染色法では前処理に時間がかかりますが、EDX付き走査型型電子顕微鏡によりフィルター上の粒子を短時間で同定することができます。日新環境調査センターでは通常法で繊維状粒子が観察された場合、この装置によりアスベスト繊維かどうかの確認をしています。
低温灰化装置
低温灰化装置
EDX付き走査型電子顕微鏡
EDX付き走査型電子顕微鏡

関連法令

  • ・労働安全衛生法(昭和47年8月19日政令第318号)
  • ・石綿障害予防規則 (平成17年2月24日厚生労働省令第21号)第3条第2項
  • ・JIS A 1481-2008:建材製品中のアスベスト含有率測定方法(平成20年6月20日改正)
  • ・基安化発第0821001号:建材中の石綿含有率の分析方法に係る留意事項について(平成18年8月21日厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長)
  • ・基発第0821002号:建材中の石綿含有率の分析方法について(平成18年8月21日厚生労働省労働基準局長)
  • ・基安化発第0206003号:石綿障害予防規則第3条第2項の規定による石綿等の使用の有無の分析調査の徹底等について(平成20年2月6日厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長)
  • ・基安化発第0828001号:天然鉱物中の石綿含有率の分析方法について(平成18年8月28日厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長)
  • ・基発第0702003号:蛇紋岩系左官用モルタル混和材による石綿ばく露の防止について(平成16年7月2日厚生労働省労働基準局長)
  • ・大気汚染防止法施行規則 (昭和46年6月22日厚生省・通商産業省令第1号)第16条の2及び3第1号
  • ・JIS K 3850:空気中の繊維状粒子測定方法